
平成生まれの新入社員を中心に、短期間で会社を辞めてしまう若手社員が少なくないと聞きます。
「自分の思っている仕事と違った・・」
「こんなヒドい会社とは思わなかった・・」
そんな若者たちの悲痛の叫びが社会にはあふれています。
スポンサーリンク一方、「軽く叱っただけなのに、まさか辞表を提出するなんて・・」といった、管理職の人々の悲しみの声も聞こえてきます。
そんなとき、平成生まれの新入社員と彼らの上司では根本的な何かが違っていて、うまく噛み合っていないなと感じずにはいられません。
平成生まれの新入社員を中心に、短期間で会社を辞める若手社員が多い状況を「最近の若者は根性がない」「ゆとり世代はだからダメだ」といった言葉で片付けるのは簡単です。
しかし、苦労して入った会社を、辞めることを前提に入社した新入社員はどれだけいるでしょうか?
ほぼ皆無でしょう。
誰もが会社から内定したときには大きな喜びを感じ、家族や学校の恩師、友達にそれを報告したはずです。
そして、「仕事をバリバリがんばってこの会社に貢献するぞ!」、「たくさんお金を稼いで、幸せな家庭を築くぞ!」といったように、入社前は夢と希望に満ち溢れていたはずなのです。
それが入社して数ヶ月が経過し、気持ちが徐々に変化していくわけです。そして最終的には辞表届けを出すに至ってしまうのです。
入社から退社までの期間が短ければ短いほど、周囲の人間は「一体何を考えてるんだ!?この根性なしが!」みたいに非難の声を浴びせることでしょう。
しかし、それまでには、時間は短くとも、彼らなりに一生懸命になって仕事に取り組み、悩みぬいた軌跡があるはずなのです。
何が問題なのかというと、平成生まれの新入社員が短期間で仕事を辞めるその背景には、平成生まれの新入社員と上司の根本的な考え方の違いがあるような気がしてなりません。
スポンサーリンク一体、会社を短期間で辞めていく新入社員と彼らを指導する上司では、根本的に何が違っているのでしょうか?
それはさまざまな複雑な要素が絡んでいるでしょうが、私はそのひとつに、「集団のなかで生きていく術を身につけているか否か」の違いがあるのではないかと考えています。
平成生まれの新入社員を指導する立場にある上司の多くは、昭和生まれの人々だと思います。
昭和年代の日本は、自動車の製造や電化製品の開はじめ、モノをつくりだし経済成長をしていった時代でした。
テレビ、冷蔵庫、新幹線ほか、新しいものが毎年のように登場していて、現代とは少し空気感が違っていたものです。
また、昭和年代の国民生活はというと、近隣どうしの結びつきがつよく、子供たちは日が暮れるまで近所の子供たちと遊んでいました。
子供たちの集団には、勉強ができる人、かけっこが速い人、喧嘩が強い人、話が面白い人などいろいろいて、それぞれ集団のなかでのポジションを保つためにその能力をアピールし、ときには周囲に還元していました。
また、特に光る個性や能力のない人々は、力のある友達の下で太鼓持ちをしながらうまくやっていくわけです。
そういったことを昭和年代の子供たちは試行錯誤しながらやっていたわけですが、それはまさしく、会社の縮図といえるのではないかと思います。
昭和年代の人々は、集団のなかで効率よく、ときにはずるく生きていく術を身につけていたのです。
ですから、他人の考えに必要以上にふりまわされず、かといって人間関係や場の空気感を大切にしながら 集団のなかで自分のポジションをうまく確立することが自然とできるのだと思います。
一方、平成生まれの新入社員は、生まれたとき既にモノがあふれている時代でした。
インターネットの発達により、何か知りたいと思えば、調べたらすぐ「答え」がわかるようになっていました。
ですから、試行錯誤して答えを導き出すための方法を身につける必要性がなかったのです。
平成生まれの新入社員は、情報を集めて「答え」を探してくるのはうまいです。また、グローバルな視点を持ち、知識を豊富に兼ね備えています。
しかし、「答え」をパソコンを頼らず自分の力で一から導き出してみよと指示すれば、たちまち狼狽し、右往左往します。
また、平成生まれの新入社員たちは、近隣どうしの結びつきが弱い生活環境で育つことが多いです。幼少の頃から自分の家に閉じこもり、テレビゲームやパソコンを相手に遊んでいたのです。
また、誰かとコミュニケーションをとるときも、EメールやFACEBOOK、LINEなどで事足りてしまうわけですから、人と対面する必要性がなくなりました。
そのような生活環境で育った平成生まれの新入社員たちは、集団のなかで「自分」という存在を確立する術が身についていないことが多いわけです。
そして、自分という存在は、いわばかげろうのようなものと認識してしまっているわけですから、「自分」というものの価値は、他人が決める」という考えになってしまっているのです。
ですから、「他人の意見」「世間の評価」を必要以上に気にします
平成生まれの新入社員たちは真面目で一直線です。そして、自分という存在の価値よりも、他人や世間が決めた価値に重きを置いています。
ですから、上司から頭ごなしに叱られたりしたら、それを全面的に受け入れてしまい、「自分はここまでダメ人間なんだ・・」、「私は会社にとって必要のない存在なんだ・・」とまで自分を思いつめてしまうのです。
仮にその上司が、部下を育てようと思って軽い気持ちで投げた言葉であっても、当の本人にとっては、自分の人生を全否定されたように受け止められてしまうことが多々あるのです。
以上のことを考えてみたとき、あなたが上司として部下を指導する立場にあるならば、平成生まれの新入社員たちに投げかける言葉や対応には、細心の注意を払ったほうがよさそうです。
些細なことで、彼らは自己嫌悪に陥り悩みこんでしまうからです。情報収集能力や知識の多さなど彼らの良い点をしっかりと褒めて評価してあげたほうが、より仕事をがんばるケースが多いように思います。
一方、平成生まれの新入社員の方々は、他人の評価をうのみにしないことです。
人間は誰もが未熟な存在。他人の考えには参考になる面も確かにありますが、間違っていることも往々にしてあるのです。
ですから、上司から頭ごなしに怒鳴られたとしても、それに耳を傾けつつも必要以上に悩みこまないことです。そのためには、「自分に自信を持つ方法」を自分なりに確立しておくことが必要だと思います。
そこあたりの「自分に自信を持つ方法」を確立するための術やアイデアについては、追々お話していこうと思います。
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